民族という政治 ベトナム民族分類の歴史と現在

伊藤正子著

2008年10月刊 A5判 306頁 三元社 (5%)税込\3990 (本体\3800)

ベトナムの民族政策の特徴のひとつは、国家が「国定民族を」決定し、その分類に沿って政策を実施する。現在、多数派のキン族と53の少数民族がいるとされているが、この54の「国定民族」はいかにして確定されたのか。ある「民族」とされることが、人々になにをもたらし、なにを求めさせるのか。多民族国家における上からの民族政策のはらむ危うさを明らかにする。

【主要目次】
序論
 第1節 本書の目的
 第2節 本書の構成
 第3節 研究手法
 第4節 先行研究
 第5節 ベトナム少数民族概観
第1章 ベトナム民主共和国における民族確定作業 35
 第1節 ベトナム民族学の誕生
 第2節 中国の民族識別作業
 第3節 ベトナム民主共和国における民族確定作業
第2章 ドイモイ下の少数民族援助・優遇政策
 第1節 1989年の共産党政治局22号決議とその背景
 第2節 「135プログラム」の目的と対象
 第3節 「135プログラム」の結果
 第4節 「135プログラム」の課題
 第5節 「135プログラム」第2フェーズ
第3章 21世紀の民族確定見直し作業
 第1節 1999年の国勢調査とサブグループからの不満の噴出
 第2節 声をあげたサブグループ@カオランとサンチー
 第3節 声をあげたサブグループAグオン
 第4節 総括セミナーと国定民族成分リストの行方
 第5節 声が届かないサブグループ
第4章 利用される「極少少数民族」オドゥ族
 第1節 オドゥ族の居住状況
 第2節 来歴をめぐる伝説
 第3節 創られた「自称」
 第4節 民族混淆状況と言語
 第5節 オドゥ族の分類の歴史−“絶滅”の危機?−
 第6節 激増する「オドゥ族」
 第7節 降ってわいたダム建設
 第8節 民族別「優先」移住と家族の離散−本当の危機−
 第9節 オドゥ族への特別のプログラムとトゥオンズオン県の思惑
 第10節 移住先でのオドゥ族と新たな民族間対立
結論 権益としての民族―国家・地方政府・当人たち
資料
[地図9]ベトナム全国の主な省名・省中心地名
[地図10]ベトナムの地方区分
[表21]国勢調査によるベトナムの国定民族別人口変動(1979, 1989, 1999)
[表22]1960年3月1日北部民族別人口
[表23]1974年4月1日北部民族別人口
「135プログラム」原文 政府首相の決定(135号/1998/Q?-TTG 1998年7月31日)
参考文献・インタビュー一覧
あとがき
人名・事項索引

 

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