バンコクの匂い

前川健一著

1991年7月刊 46判 340頁 めこん 1,900円

「1990年11月から91年3月までのバンコクを、わたし流に記録してみようと思った。この期間に特別な理由はない。たまたま私が滞在したのが、その期間というだけのことだ。
 バンコクに初めて来たのは73年だが、この街と本格的に付き合おうという気がなかったし、まだ職業的観察者ではなかったので、その後10年ほどの記録と記憶がスモッグに包まれたバンコクのように、ボンヤリと霞んでしまっている。バンコクについて本を書くようになって、過去がよく見えないという苦しみをつくづく味わわされている。過去は今後も調べ続けていくが、今すぐやるべきことは、今のバンコクを記録しておくことだと感じた。今のバンコクの匂い、雰囲気、気分を、書き留めておきたいと思った。そんな気持ちが強くなり、普段まったく書かない日記を書いてみることにした。資料として新聞の切り抜きも集めたが、将来の都市計画については2月23日のクーデターで、きれいさっぱり吹っ飛んでしまった。新しい交通システムの計画も、クーデター後どうなるのか、今のところまったくわからない。クーデターもまた、タイの風物詩のひとつである」(本書「あとがき」より)

【目次】
序章 パンコクのてっぺんから
第一章 アパートを訪ねる
二コム先生の住宅史
 ☆アパートの探し方
第二章 ショッピングセンターを観察する
MBKの混沌
第三章 日本科理を調べる
銀座スクエアーの奇妙な体検
☆バンコクの日本語
第四章 演歌を聴きに行く
スナーリー・コンサート
第五章 橋を巡る
セン・セープ運河のけだるい昼下がり
第六章 舟に乗る
悪臭に包まれて
日記
☆バンコク1991年1月
あとがき
 

 

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