インド日記 牛とコンピューターの国から

小熊英二著

2000年7月刊 46判 400頁 新曜社 2,700円


著者は、話題作『単一民族神話の起源』(新曜社 3,800円)『〈日本人〉の境界』(新曜社 5,800円)などで、近代日本を問い直してきた若き気鋭の研究者。国際交流基金の専門家派遣事業で2000年の1月から2ヶ月間インドのデリー滞在。その間の見聞を日記形式で綴っている。
「日記である以上、統一された主題というものはない。しかし書いたことは、結局のところ、日本にいたときから私が抱いていた関心の延長に位置する。その関心とは、社会の変動と近代化のなかで、人間がどのように自己の位置とアイデンティティを定めてゆくのか、またそうした人間のつくる社会のあり方はどのようなものなのか、その場合に国家と人間はどのような関係を築いてゆくのか、といったものである。」(本書、あとがきより)
グローバリゼーションにゆれる多民族国家インドの社会や宗教、芸術、NGO、フェミニズムなどと触れあいつつ、著者の視点はいつもこのあとがきで触れられた関心へと立ち返る。インドに関心のある人だけでなく、もっと多くの読者にもお薦めしたい。

 

ホームへ