多言語社会インドネシア 変わりゆく国語、地方語、外国語の諸相

森山幹弘、塩原朝子編著

2009年3月刊 A5判 326頁 めこん (5%)税込\3675 (本体\3500)

強権的なスハルト政権崩壊後、地方の自治権が拡大し、さらに、グローバル化の影響がインドネシア社会に浸透し始めた。その内と外からの新しい動きが、どのようにインドネシアの言語状況に変化をもたらしたのか、また、今後もたらしていくと考えられるのか。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所主催の共同研究プロジェクト「インドネシアの国語政策と言語状況の変化」の成果。

【主要目次】
はじめに 森山幹弘・塩原朝子
序章 国語政策における地方語の位相
 森山幹弘
 国語としてのインドネシア語
 「地方語」の定義
 地方語の役割
 外来語の隆盛
第1章 国立言語センターと言語政策 舟田京子
 1. 国立言語センター成立の略史
 2.「言語教育開発研究所」の組織と役割
 3.「言語教育開発研究所」から「国立言語センター」へ
 4. 言語政策の提言と言語政策セミナー
 5. 言語法と国立言語センターの位置づけ
第2章 スンダ語の尊重と育成――言語政策における地方語の位相 森山幹弘
 1. インドネシア語と地方語の関係――蘭領東インド時代からスハルト政権終焉まで
 2. スンダ語をめぐる状況の変化――ポスト・スハルト期
 3. スンダ語リバイバルの萌芽
第3章 インドネシアの学校教育に見る国語と地方語 鏡味治也
 1. 国民教育法における国語・地方語の位置づけ
 2. 「地方独自内容」設置の経緯とその内容
 3. バリ州における小中学校生徒の言語使用状況
 4. 国語と生活言語
第4章 バリ語−インドネシア語コード混在と敬語使用の相互作用
原真由子
 1. バリ語の語彙構造と敬語法
 2. バリ語の敬語使用の変化
 3. バリ語敬語使用とBI コード混在
第5章 インドネシア東部の少数言語コミュニティ――「多言語主義」は普遍的価値を持つか 塩原朝子
 1. 「多言語主義」をめぐる2つのムーブメント――言語権尊重と危機言語復興
 2. クイ語、スンバワ語の状況
 3. スンバワ、アロール地域における地方語振興の様相
 4. 地方語振興「先進地域」との比較
第6章 境域の言語空間――マレーシアとインドネシアにおけるサマ人の言語使用のダイナミクス 長津一史
 1. サマ人とサマ語の類型
 2. サバ州・センポルナにおけるサマ人の言語使用
 3. 東インドネシアにおけるサマ人の言語使用
 4. サマ人の言語使用に関する国家間での異同――むすびにかえて
第7章 中国語教室に通う華人
――ポスト・スハルト期インドネシア華人にとっての「アスリ」なもの 津田浩司
 1. 「アスリ」な言語
 2. 近現代のインドネシア華人の言語を取り巻く状況
 3. あるジャワ地方小都市における中国語学習ブームの現状
 4. 「アスリ」なるものとの隔たり
第8章 ジャカルタ言語景観における中国語使用と変化のきざし 北村由美
 1. 言語景観の定義
 2. 背景
 3.ジャカルタの言語景観と中国語
 4. 漢方薬局と中国語
第9章 イスラム寄宿塾ゴントルにおけるアラビア語 ウガ・プルチェカ(訳・柏村彰夫)
 1. インドネシアの教育制度とゴントルの概略
 2. 語学と外国語に関するアンケート
終章  スハルト後の言語状況の変化
 塩原朝子
 1. 本章の目的
 2. 法制上の変化
 3. 現在の言語状況の概観
 4. 地方語振興運動――スハルト後の新しい動き
 5. インドネシアの言語状況にみられる多様性と臨地研究の重要性
ガイドインドネシアの国家制度 柏村彰夫
索引

 

ご注文

ホーム